Pyttipannaとは…
pyttipannaというのはスウェーデン語で”フライパン(panna)の中(i)の小さいもの(pytt)”を意味する料理である。
この料理は、名前のとおり細かく切ったじゃがいもなどの材料をフライパンで炒め合わせたもので、じゃがいもが主食であるスウェーデンでは定番の家庭料理である。スウェーデンでは茹でたじゃがいもは日常的に食べられるので、その残りなどを使って作られることも多い。

主食であるじゃがいもを他の具材とともに炒め、さらに卵も使うことからか、スウェーデン風チャーハンなどと言われることもあるのだが…個人的にはその表現はしっくりこない。こちらではスーパーなどでも冷凍のものが買い求められたりするが、チャーハン的なものを想像して食べるとおそらくだいぶ隔たりがあるかと思われるので、注意されたし。
ちなみにこの料理は北欧圏では広く食べられているもので、例えばお隣のフィンランドではPyttipannuと呼ばれる。また、北欧圏以外でも類似の料理は存在し、僕の知る限りでもドイツの”農夫の朝食 : Bauernfrühstück”など(卵の使い方は違うが)が挙げられる。
スウェーデンでは、この料理にはFalukorvと呼ばれるスウェーデン起源の太いソーセージが使用されるのだが、これがまた大きいものでは1.5kgほどの重量で売られているのである。また、付け合わせには、こちらもスウェーデン料理の定番の付け合わせの一つであるビーツのピクルスや、きゅうりのピクルスなどが合わせられることが多い。
では、pyttipannaの作り方を紹介しよう。
Pyttipannaの本格レシピ

Pyttipanna
Ingredients
- 6 じゃがいも 小~中
- 75 g 塩漬け豚肉 ベーコンで代用可
- 50 g ソーセージ
- 1 個 玉ねぎ
- 30 g バター
- 適量 パセリ
- 2 つまみ タイム
- 適量 ブラックペッパー
- 1 個 卵
- このみで ビーツのピクルス
- このみで きゅうりのピクルス
Instructions
下準備
- じゃがいもは皮付きのままで良いので沸騰したお湯で茹でておく。後ほど包丁で切るので、皮は剥ける程度には火を通すが、やや芯が残る程度にとどめておく。茹ですぎてしまうと包丁で切る際に潰れてしまうので注意。
- 塩漬けの豚肉(スウェーデンにはRimmat Fläskというものが売られている)は1cm角ほどに切り、ソーセージも同じくらいのサイズに切っておく。
- 玉ねぎは皮を剥いて、肉の大きさに合わせて切る。
- じゃがいもが煮上がれば、流水にとって冷やしながら 皮を剥き、同じく1cm角ほどに切る。
- 鍋に再び冷水を張り、切ったじゃがいもを入れてほぐす。じゃがいもがバラバラになったら、取り出して水気をしっかりと切っておく。この過程は任意だが、省くとじゃがいも同士が澱粉質でくっついたままになるので炒める際にほぐれず少々手間がかかる。
本調理
- フライパンにバター15gを溶かし、玉ねぎを加え、塩ひとつまみとタイムと共にじっくりと炒め合わせる。
- 玉ねぎが透明になれば、塩漬け豚肉とソーセージを加えて、さらに炒める。目安としては豚肉の色が変わるくらいまで。
- 具材をフライパンの片側に寄せ、開けたスペースに水切りをしたじゃがいもをバター15gとともに加える。そのまま、動かさずに火を入れ、じゃがいもの表面にしっかりと焼き色をつけておく。
- 良い感じで焼き色がついたら、パセリやブラックペッパーなどを加えて、全体を煽るようにして炒め合わせていく。
- 味を見て足りないようなら塩少々を加える。塩漬け豚肉やソーセージの塩気があるのと、付け合わせのピクルスの塩気もあるので、調味は慎重に。
- フライパンに薄く油を敷き、卵を割り入れて目玉焼きを焼く。焼き加減は好みだが、個人的には半熟くらいが、他の素材とのバランス的におすすめ。
盛り付け
- 器に盛り付け、ピクルス類を脇に添える。
- 仕上げに目玉焼きを乗せて、パセリを散らせば完成。
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