Oysters Rockefellerとは…
Oysters Rockefeller(オイスター・ロックフェラー)というのはNewOrleansで生まれた牡蠣料理で、アメリカでは非常に人気の高い前菜料理である。
Oysters Rockfellerがどういった料理なのかと言うと、”バターとパセリ及びその他のグリーンハーブ、それにパン粉を合わせたリッチなソースを、殻つきの牡蠣の身にのせてオーブンで焼くまたは炙り焼く料理”だと”されて”いる。
“されている”という含みは、後述の通り この料理が成立してから100年以上経つ現在に至っても、未だオリジナルレシピが秘匿され続けているという事実を踏まえてのものである。
ちなみに、この料理は1899年にNewOrleansのレストランAntoine’sのJules Alciatoreが考案した料理であり、料理名の”ロックフェラー”はロックフェラー財団から取られている。牡蠣にのせる”ソースのリッチさ”を”当時最大の富豪”となぞらえたのだと言われている。
未だ明かされぬオリジナルレシピ
さて、上記の通り、この”Oyster Rockfeller”のオリジナルレシピは公開されていない。曰く、”オリジナルレシピは一子相伝で考案者のJules Alciatoreの家族以外は知らない”とか、そもそも”Julesがレシピを墓まで持って行ってしまったので誰一人オリジナルレシピを知らない”とか、さまざまに。
オリジナルレシピは公開されていないものの、その味は数知れぬ人々を魅了し、NewOrleansの他のレストランもこぞって模倣、レシピを模索したという。そのため、現在ではNewOrleansにあるほとんど全てのレストランで”Oyster Rockefeller”という名の料理が提供されている(それぞれのレストラン独自に開発したレシピだと思われる)。実際、私が実際に訪れたNewOrleansのあるレストランのメニューに書かれた”Oysters Rockefeller”の説明には“classic sause done our way”と但し書きがされている。
この料理は多くの料理研究家たちの興味の対象ともなっているのだが、未だに正しくオリジナルレシピの味わいを再現しているレシピは作られていないとも言われている。
“ほうれん草を使う=オイスターロックフェラー”は正しいか?
さて、最近ではなぜか単に“牡蠣をほうれん草とパン粉とともに焼いたもの”をオイスターロックフェラーだという風向きが強いようだが、実際はこの認識は間違いである。
正しくは、もともとオリジナルレシピの特徴として“緑色”であったという点を、ほうれん草を使うことで再現し、それが一般に広がっていったのである。そもそもAntoine’sのシェフはオリジナルレシピにおけるほうれん草の使用を否定しており、そのことは他の料理研究家たちも支持している事実なのだそう。
オリジナルレシピの公開されていない現在、ほうれん草を使ったレシピが一般的になっているのも事実だが、やはり“ほうれん草を使う=Oysters Rockefeller”という認識は必ずしも正しくはないのである。言い換えれば、”ほうれん草を使いさえすればOysters Rockfellerである”という認識は間違いである。
個人的にはアニス酒もパセリも使わず、ソースをピュレ状にすらしていないもの(実際に存在する)を”Oysters Rockfeller”だ、と提供されても違和感が拭えない。
それでは、NewOrleansのレストランで提供されるようなOysters Rockefellerの本格レシピを紹介しよう。
Oysters Rockefeller の本格レシピ
Oysters Rockefeller : 牡蠣のロックフェラー風
Equipment
- オーブン
Ingredients
- 12 個 牡蠣 殻付きのもの
- 3 束 ほうれん草
- 1/2 個 ピーマン
- 1 本 セロリ
- 1 本 長ネギ
- 3 片 ニンニク
- 適量 バター
- 適量 ウスターソース
- 1/2 カップ アニス酒 Herbsaint
- 1/3 カップ パン粉
- 適量 塩胡椒
Instructions
下準備
- 牡蠣の殻が汚れていれば、たわしで軽く洗う。殻の隙間からナイフを入れ、貝柱を外して殻を開けて身を外す。牡蠣の身はザルで水洗いして、殻に戻して冷蔵庫に入れておく。
- ほうれん草はざく切り、ピーマン、ネギ、セロリ、にんにく、パセリ、バジルはみじん切りにする。ネギは白い部分と緑の部分を分けて、セロリは茎の部分と葉の部分を分けて、それぞれみじん切りにする。
ソース作り
- ざく切りにしたほうれん草をフードプロセッサーにかける。
- ほうれん草を目の細かいザルにあけて、ヘラで濾すようにして十分に水気を除く。
- フライパンにバターを溶かして、みじん切りにしたネギの白い部分、ピーマン、セロリの茎の部分を炒める。
- 全体にしっとりとしてきたら、にんにく、ネギの緑色の部分、セロリの葉の部分を加えて、さらに1分ほど炒める。
- さらに、ほうれん草、バジル、そしてパセリのみじん切りを加えて さっと炒めます
- Harbsaint(アニス酒)と塩こしょう、タバスコ、ウスターソースを入れ、5分ほど煮て火からおろす。
- 粗熱が取ったのち、フードプロセッサーにかけ、粗めのピュレにする。
仕上げ:オーブン調理
- ピュレにパン粉を加えて軽く混ぜ合わせ、冷蔵庫から取り出した牡蠣に、それぞれ牡蠣の身が覆いかぶるくらいたっぷりとピュレをかけていく。
- 牡蠣を殻ごと鉄板に並べ、200度に予熱したオーブンで15分ほど焼く。表面に焼き色がつくくらいになれば出来上がり。牡蠣は焼きすぎると美味しくないので、焼き時間には注意が必要。やや半生程度を目安とすると美味しく仕上がる。
Notes