Hühnerfrikassee (ヒューナーフリカッセ)
ヒューナーフリカッセ(Hühnerfrikassee)という料理を御存知だろうか?
この料理が一体どこの料理なのかわかるだろうか、と聞かれて初見でドイツ料理だと答えられる人はそうはいまい。というのも、日本人の持ついわゆる”ドイツ料理のイメージ”からははるかにかけ離れたものなのである。
そもそも料理名からして”frikassee”というのはドイツのものではなく、フランス料理のものである(フランス語の”frire : 揚げる”と”casser : 割る”という単語が合わさった言葉だと言われている)。早い話がHühnerfrikasseeとはフランスからドイツに持ち込まれて発展した料理な訳である。ちなみにHühnerというのはドイツ語で”鶏”を意味する。
“frikassee”についてもう少しだけ書くと、元々はキジ科の家禽を使い、上の語源通り肉を細かく切り揚げた料理であったのだが、時代が下るとともにシチューのような料理に変遷していき、使われる肉も多岐に渡るようになったのだそうである。

17世紀大選帝侯フリードリヒ=ヴィルヘルムの治世にて、フォンテーヌブローの勅令によってフランスを追われたユグノー教徒をブランデンブルクに受け入れた際に、その他のフランスの技術や文化とともに持ち込まれたと考えられており、その後”Berliner Hühnerfrikassee(ベルリン風鶏のフリカッセ)”として洗練されていったのだそう。
これがさらに、家庭で食べられる手軽なものとなったのが今日のHühnerfrikasseeなのである。
などと、細かい話はこの辺りにして、そんなHühnerfrikasseeがどんな料理なのかを説明すると…。茹でた(或いは焼いた)鶏肉と人参、缶詰のアスパラガスなどをしっかりと調理し、鶏の出汁に小麦粉と生クリームで濃度をつけたソースを絡めたものを、炊き上げたジャスミンライスにかけて提供される一皿。
百聞は一見にしかず、ということでとりあえず作り方を紹介しよう。
Hühnerfrikassee の本格レシピ

Hühnerfrikassee (鶏のフリカッセ)
Ingredients
- 1 本 骨つきの鶏もも肉 骨なしの部位を使う時は鶏ガラを併用するとよい
- 2 本 ホワイトアスパラガス
- 1 大さじ グリンピース
- 1/2 本 人参
- 2 個 マッシュルーム
- 1/2 本 白ネギ
- 100 ml 生クリーム
- 適量 塩
- 1 小さじ タイム
- 適量 黒胡椒
- 1 l 水
- 30 ml 白ワイン
- 2 大さじ 小麦粉
- 20 g バター
Instructions
下準備1:材料を切る
- 缶詰のホワイトアスパラガスは5cmほどの長さに切り揃える。*生のホワイトアスパラガスを使う場合はしっかりと皮を剥いて茹でてから使用する。
- 人参は皮を剥いて1cmほどの輪切りにしておく。皮とヘタは出汁を取る際に使うので取っておく。
- マッシュルームは石突きをおとして薄切りにする。
- 葱は白い部分のみ輪切りにしておく。
下準備2:出汁をとる
- 鍋に鶏もも肉、ネギの青い部分、人参の皮とヘタ、タイム、ブラックペッパー、塩ひとつまみを入れ、その上で水をひたひたまで注ぎ中火にかける。
- 沸騰したら火からおろし蓋をする。そのまま40分~1時間置いておき、余熱で鶏肉に火を入れる。*こうすることで鶏肉がしっとり仕上がる。
- 鶏肉に火が通ったら肉だけ鍋から取り出して、再度火にかける。水が半量ほどになるまで煮詰めた後、こし機で出汁のみ取り出す。
下準備3:米を炊く
- 米1合をは洗ってしっかりと水を切り、250mlの出汁を注いで浸しておく(*炊飯器の場合は水の規定量と同量で良い)。30分~経って米が十分に水を吸えば、火にかけて米を炊く。この際、肉をむしった骨を一緒に炊き込んでも良い。
本調理
- 鍋にバターを溶かし、まずは火の通りにくい人参と、しっかりと火を通して甘くしたい葱を炒める。
- 人参と葱に火が通れば、続いてグリンピースを加えてさっと炒める。
- 小麦粉を加え、バターを吸わせるようにしながら しっかり炒め合わせる。その後、白ワインを注いでかき混ぜながら水気を飛ばす。
- 生クリームを少しずつ注ぎ、ホワイトソースを作るのと同様の要領で小麦粉を伸ばしていく。生クリームは脂質が多い分、ソースはダマになりにくい。
- さらに濃度を調整しながら鶏の出汁を足していく。
- ほぐした鶏肉とマッシュルームを鍋に入れ、ソースとしっかりと絡める。ちょうど良いとろみになるまで軽く煮詰める。
- 仕上げに塩と胡椒で調味する。
- 炊き上がったジャスミン米をお皿に盛り付けて、その上から回しがければ出来上がり。
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