・スウェーデンの家庭料理とは…
スウェーデン料理というと何を想像するだろうか。
多少なりとスウェーデンを知る人であれば、まず挙がるのはミートボールであることはまず間違いない。”スウェーデン風ミートボール”ことKöttbullarはスウェーデンでも最も一般的な料理の一つで、現地のスウェーデン人に”スウェーデンの料理ってどんなもの?”と聞いても大抵の場合真っ先にその名が挙がる。
だがスウェーデン人とて毎日ミートボールばかりを食べているわけではない。スウェーデンにも多くの伝統的な料理が存在する。
とはいえ、ミートボールの他になにがあるかと問われて、あなたは答えられるだろうか?
もしかすると、”ヤンソンの誘惑”は上がるかもしれない。確かにあれは人気料理だ。
“空飛ぶヤコブ”も?ふむふむ、確かに名前が印象的だから、これも聞いたことがあるかもしれない。だが、どんな料理かを知っているかは疑問が残る(正直、日本人ウケする味とは思えない)。
では、他は? “シュールストレミング”?よしてくれ。確かにあれはよくできた保存食だが、現代ではスウェーデン人でも好き嫌いするあくまで珍味的な位置付けで、あれを基準にスウェーデンの食生活を語られては困ってしまう。(ただはっきりさせておきたいのはあれは歴とした伝統的保存食であり、決してYouTubeなどで悪ふざけするためのおもちゃではない。)
それでは、スウェーデンでは何を食べているのか、と
・日本は北欧好きなのにスウェーデン料理は認知されていない!!?
おそらく、スウェーデン料理と言ってある程度スムースに料理名をあげられるのは 現地である程度の期間生活したことがある人くらいではなかろうか。旅行者でも有名どころや行事食以外はなかなか経験しないだろう。残念ながら意外にも食べ物に関してはごく一部の有名料理を除いて、そこまで知られているとは言い難いのが現状である。
北欧の文化は日本人に受け入れやすい(似た部分も多々あるので)こともあり、特に北欧風のカフェや北欧の家具などが若い女性をはじめ多くの日本人を惹きつけてやまないらしく憧れの対象でさえあるという。実際、食以外の面では様々なものが比較的早い段階から日本に溶け込んでいる。例えば日本で人気の家具ブランドのIKEA、ファッションブランドのH&M、靴下ブランドのHappy Socksは全てスウェーデンの会社だし、食器ブランドの IttalaやARABIA (ARABIA の元々の親会社はスウェーデン)はフィンランドの会社である。
それなのに、なぜか食だけは…。食器が流通すれば、本来それに乗せるべき食事も広がる…べきなのに。
とにかく、スウェーデンには非常に多くの美味しい伝統的な家庭料理が存在する。せっかくの美味しい料理が知られずにいるのは勿体無いので、私の知るその一部の料理のレシピをお教えしよう。是非ともIttalaなどの北欧食器に盛り付けて召し上がっていただきたい。
日本で知名度の低い料理だけでなく、もちろん 有名どころの料理の作り方も紹介する。
・スウェーデン家庭料理のレシピ集
- Köttbullar(ショットブラール) :スウェーデン・ミートボール
- Kalops (カロップス) : 伝統的な肉の煮込料理
- Fiskgratäng (フィスクグラテン) : 定番の魚介のグラタン
- Dillkött (ディルショット) : 甘酸っぱい仔牛肉の煮込み
- Kåldolmar (コールドルマ):オーブンで焼きあげる甘味のあるロールキャベツ
- Fisksoppa(フィスクソッパ) : サフラン香る魚介のクリームスープ
- Janssons frestelse (ヤンソンの誘惑) : クリスマスの定番アンチョビとじゃがいものグラタン
- Gravlax (グラブラックス) : ディルが香る塩漬けサーモン
- Husselback potato (ハッセルバックポテト) : 独特の形が面白い丸ごとポテトのオーブン焼き
- Pyttipanna(ピッティパンナ):定番中の定番”The 家庭料理”じゃがいもと肉類の炒め物
- Kräftor (クレフタ) : 食べ尽くし注意!!スウェーデン人が愛してやまない海の幸
- Inlagd Sill (シル) : これなしでスウェーデンの食は語れないニシンのマリネ
Köttbullar(ショットブラール) :国民食とも言えるスウェーデン・ミートボール!!
スウェーデン料理といえばこれ!!、とさえ言えるほどの代表料理がスウェーデンの国民食とも言えるミートボール。クリームソースにマッシュドorボイルドポテト、そしてスウェーデンといえばのリンゴンベリーのジャムと合わせて食べるのが定番中の定番。美味しさの秘訣はソースに効かせるスウェーデン人が好きな”あのスパイス”…
Kalops (カロップス) : 伝統的な煮込料理!!
肉を使ったスウェーデンの伝統的な煮込料理。牛肉や羊肉などが使われることが多い。付け合わせの定番はビーツのピクルスと茹でたジャガイモ。いわばスウェーデン版ビーフシチューだが、多くの日本人には初めての味かも…。この料理もやはり味の決め手は定番の”あのスパイス”。そして、この料理に使われる”意外すぎる材料”とは…
Fiskgratäng (フィスクグラテン) : 定番の魚介のグラタン!!
スウェーデンの伝統的な魚介を使ったオーブン料理。いわゆるスウェーデン風シーフードグラタンである。サーモンやタラ、そして海老をディルクリームソースで焼き上げる一品。もちろんじゃがいももたっぷり使うのがスウェーデン風。ただ、その”使い方”はおそらく日本人の想像とは異なるはず…。
Dillkött (ディルショット) : 甘酸っぱい仔牛肉の煮込み料理!!
*レシピは2023年4月8日公開*
Kåldolmar (コールドルマ) : オーブンで焼きあげる甘味のあるロールキャベツ
スウェーデンの伝統料理の一つ。オーブンで焼き上げるロールキャベツ。フィリングには日本人にも馴染み深い”ある食材”が含まれていて…。その優しい甘さとクリームソースのまろやかで濃厚な味わいが相性抜群。もちろん、リンゴンベリージャムも忘れずに…。
Fisksoppa (フィスクソッパ) : サフラン香る魚介のスープ!!
スウェーデンで最もよく食べられる魚介のスープ。サーモンやタラ、海老をたっぷりと使ったクリームベースのスープをサフランで香り、色付けした一品。”魚のハーブ”と呼ばれるディルもたっぷり使う一品。北欧のスープといえばでお馴染みの(?)お隣フィンランドのサーモンのスープ”Lohikeitto”と違い、こちらは意外と日本では知られていないはず…
Janssons frestelse (ヤンソンの誘惑) : クリスマスの定番アンチョビとじゃがいものグラタン!!
じゃがいも、玉ねぎ、アンチョビを重ねてオーブンで焼き上げたスウェーデンの伝統料理。本場スウェーデンではクリスマスディナーにも登場する定番のご馳走の一つ。その印象的な名前もあり、日本での認知度はもっとも高いかもしれないスウェーデン料理の代表格。”ヤンソンの誘惑”、その名前の由来は…(実は日本で知られる由来はスウェーデンでは…)。
Gravlax (グラブラックス) : ディルが香るディル漬けサーモン!!
北欧といえば脂の乗った美味しいサーモンだろう。”Gravlax”はいわばサーモンの塩漬けでありその歴史は古い。もちろん塩だけで漬けるわけでなく、ディルと砂糖も使う。元々は砂の中に埋めて軽く発酵させていたことから”Grav(地面に穴を掘る)”という。スウェーデンに限らず、北欧全土で食べられており、多くの場合、前菜として食べられる。スモークサーモンと似ているようで、まったく異なる味わいのサーモンの加工品。魚好きの日本人の舌にも必ずあうであろう一品である。
Husselback potato (ハッセルバックポテト) : 独特の形が面白い丸ごとポテトのオーブン焼き!!
*レシピ作成中*
Pyttipanna (ピッティパンナ) : 定番中の定番”The 家庭料理”のじゃがいもと肉類の炒め物!!
スウェーデン語で”フライパンの中の小さいもの”を意味する家庭料理。小さく切ったじゃがいもと加工肉などを一緒に炒め、目玉焼きを乗せる定番の一皿。スウェーデンでは主食となる茹でたじゃがいもが残った際などにも作られる。
Kräftor (クレフタ) : 食べ尽くし注意!!スウェーデン人が愛してやまない海の幸!!
スウェーデン人が愛してやまない夏のご馳走。8月になるとザリガニ漁が解禁され、夏の風物詩とも言えるKräftoskiva (ザリガニパーティ)が至る所で開催される。ザリガニは新鮮なディルと塩水で茹で上げられ、北欧の酒 AKVAVITと共に!!ザリガニは通常 冷ました上で、各々 剥いてかぶりつくのが通例だが、スウェーデンではこのザリガニを使ったアレンジメニューも人気なので合わせて紹介しよう。
*記事作成中*
Inlagd Sill (シル) : これなしでスウェーデンの食は語れないニシンのマリネ!!
定番の惣菜(?)といえばこれというほどに一般的なもので、スウェーデンではどこのスーパーでも様々なフレイバーのInlagd Sill(ニシンの酢漬け)が取り揃えられている。”バイキング”の原型とも言われるスウェーデンが誇るSmörgåsbord(スモルゴスボード)にも欠かす事のできない料理。聞くところによると最近では日本のIKEAでも手に入るらしい。スウェーデンでも瓶詰めで買ってしまうのが一般的だが、もちろん家庭でも作れる。ちなみに、そのまま食べるには少々 甘さと酸味が強すぎるため、日本人の舌はびっくりしてしまう(はず)のだが、実は定番の食べ方である”あるもの”と合わせることで、絶妙な美味しさに激変。途端に病みつきになること請け合いである。
*記事作成中*