Pasta alla pomodoroとは…
イタリア料理の数あるトマト系パスタ。Pasta alla pomodoro(トマトのパスタ)はその名の表す通り、数多のトマト系パスタの中でも最もシンプルかつ基本とも言えるものであり、それゆえにSpaghetti al Sugo(ソースのパスタ)と呼ばれることもある。
その定義はトマトソースを絡めたパスタに、バジルを散らしたものとされる。
ちなみにトマトソースにはイタリア国内でも大きく分けて二流派ある。中央~北部イタリアではみじん切りにしたセロリ、にんじん、玉ねぎの炒めたもの(ソフリット)にトマトを加えて煮込み、 中央~南部イタリアではニンニクのみを炒めたところにトマトを加えて煮込むことで作られる。
実はPasta al pomodoroが真のナポリタン??
時に、トマトソースにつての記載が初めて書籍に登場したのは1773年のナポリに遡り、イタリア料理シェフであり、哲学者であり、文学者でもあるVincenzo Corradoの手による”The gallant cook“に少なくとも13のトマトソースのレシピが載せられていたという。
さらにパスタに使われるトマトソースについての記載は、それからさらに時間を置いてイタリア人料理人 Francesco Leonardiによって1790年に出版され、1807~1808年に再版された”L’Apicio Moderno “の中に初めて見つけられる。この中では”Maccaroni alla Napolitan“についてトマトソースのバリエーションが紹介されており、さらに”Ragù di Maccaroni“の節にて”Maccaroni alla Napolitana” が引用されている。
ちなみに、”L’Apicio Moderno “の第二版はweb上で読むことができる。
初めてトマトをパスタに適用した”Maccaroni alla Napolitana” と関連してか、実は”Pasta al pomodoro”は”Pasta alla napoletana(ナポリ風パスタ)”とも呼ばれることがある。
ナポリ風パスタ、つまりナポリタンである。日本では”ナポリタン”というとケチャップを使ったスパゲティのことであるが、実はイタリアではトマトソースのパスタのことをナポリタンと呼ぶのである。
多くの日本人が、”ナポリタン”は日本オリジナルのもので、イタリアにはその元になったような”ナポリタン”と呼ばれるパスタはそもそも存在しないと言うのだが、実は”Pasta alla Napolitana(ナポリタン)”というものは実在しているのである。もちろん日本のナポリタンがこの”Napolitana”に由来するかどうか確証はないが…。
それでは、”Pasta alla Napolitana”こと”Pasta al pomodoro”の本格レシピを紹介する。
Pasta al pomodoroの本格レシピ
Pasta al pomodoro : トマトとバジルのパスタ
Ingredients
- 400 g トマトの水煮
- 10 g フレッシュバジル
- 1 大さじ ドライバジル *任意
- 2 片 ニンニク
- 3 大さじ オリーブオイル
- 適量 塩
- 160 g スパゲッティ 一人分 約80g
Instructions
- ニンニクは包丁の腹で叩いて潰してから みじん切りにする。
- フライパンにオリーブオイルを大さじ2ほど加え、みじん切りにしたニンニクをじっくりと炒めて香りを出す。
- トマトの水煮を加えて、オイルと馴染ませるように木ベラで撹拌する。
- ドライバジルを加えて中火でじっくりと煮詰めていく。*ドライバジルを使うのは香りを強めるためと、フレッシュバジルを長時間煮込むことで色が悪くなることを避けるため。
- トマトソースを煮詰めている間に、パスタを湯がく。
- トマトソースが半量ほどに煮詰まってソースの濃度が濃くなった頃に、パスタの茹で汁をおたま半分ほど加えてソースを乳化させる。さらにフレッシュバジルを加えてさっと混ぜる。
- 味を見て足りないようなら塩少々加えて調味し、仕上げにオリーブオイルを大さじ2ほどを回し入れる。
- 茹で上がったスパゲティを湯切りして、乳化したソースの中に加えて、煽るようにしてフライパンを振りながらソースに絡めていく。好みでチーズなどをかけても良い。
- 器に盛り付けて、生のバジルを散らしたら完成。