Sauerkrautとは…
“Sauerkraut(ザワークラウト)” というのは日本でも比較的認知度の高いドイツ食品である。
ドイツ語で”sauer=酸っぱい”+”kraut=キャベツ”であるので、文字通り”酸っぱいキャベツ”を意味する。厳密にはドイツではキャベツは”kraut”ではなく”kohl”という単語が使われることが多く、”Kraut”というのは南ドイツやオーストリア界隈で使われる言葉らしい。
ドイツ料理やオーストリア料理において、一品料理の付け合わせや煮込み料理によく使われる。その独特の酸味により、ドイツ料理特有の肉肉しい料理や脂っこい料理なども口さっぱりと食べることができる。
日本におけるSauerkrautについての大きな誤解の一つは、この食品がキャベツの酢漬けだと考えられていることであるが、実のところ本来のSauerkrautの材料には一滴とて酢は入っていない。
*実はドイツにはBayrisch Kraut というSauerkrautに似た料理(代用にもされることがある)があり、こちらはお酢を使って作られる料理である。
一言で言えば”Sauerkraut”とは”千切りキャベツの塩漬け”である。つまり、Sauerkrautの酸味は乳酸発酵によるものであり、さらに言ってしまえば日本で言うところのぬか漬けの酸味と同種のものなのである。
最近では日本でも輸入食品店やスーパー等で瓶詰めのSauerkrautが購入可能であったりするが、実は家庭でも簡単に作ることができる。
家庭でできる本格的な(というより”authentic”な?) Sauerkrautの作り方を紹介しよう。
Sauerkrautの本格レシピ
Sauerkraut
Equipment
- 1 ボウル/漬物釜
- 1 保存瓶/保存用の袋
- 1 おもし *袋に水を入れて代用可能
Ingredients
- 1 kg キャベツ
- 30 g 塩 キャベツの重量の2~3%ほどの重量
- 1 小さじ キャラウェイ *このみで
- 2 枚 ローリエ
- 10-15 個 ジュニパーベリー
Instructions
1日目
- キャベツは細切りにする。細切りの幅に関してはこのみの太さで良い。千切りまで細くしてしまうと食感が物足りなくなる、また煮込みに適さなくなるので、ある程度太さを持たせると良い。
- キャベツは重量を測り、その2~3%の重量の塩を準備する。
- ボウル、あるいは漬物釜に入れた細切りにしたキャベツに塩を加えてざっくりと混ぜる。なるべく全体に塩が絡むようにしっかりと混ぜるほど、水の上がりが早くなる。
- キャラウェイ、ジュニパーベリーを加えてさっくりと混ぜる。混ぜる前にローリエを加えると葉が砕けてしまう可能性があるので、ローリエは最後に加える。*キャラウェイは食感にも影響するのでシードで入れるかパウダーで入れるかはこのみで。ローリエも同様。ただし、パウダーを使う場合は色味がつくため、仕上がりの見目に影響があるので、その点は留意されたし。
- キャベツの上にキャベツと同重量ほどの重石(ビニール袋に水を入れるたものを使うと便利)を置き、そのまま常温で置いておく。蓋やラップをするなどして埃が入らないように気を付ける。
2~4日目頃
- 早ければ1日ほどでキャベツがひたひたになる程度まで水が上がってくるので、重石を外して一度軽く混ぜほぐす。
- 重しを外した状態でもヒタヒタになるほどに水気がでてきていれば重石を軽くしても良いが、そうでなければ同じ重さ、水の上がりが悪すぎればさらに重い重石に変えてさらに常温で置いておく。あまり勧められないが、キャベツから出る水分があまりに少ない場合は水を少量加えても良い。
- 常温において乳酸発酵が進むことで、軽く酸味が出るまで様子を見る(早ければ水が上がってから一日ほどでこの段階に到達する)。*常に塩水に浸っていないキャベツがないように気を配る。常温で保存するためキャベツが塩水に浸っていない場合、その部分は乳酸発酵よりも先に腐敗過程が進む可能性がある。
仕上げ
- キャベツの乳酸発酵が進んできたら、保存用の袋 あるいは瓶に移し、冷蔵庫に入れてさらに好みの酸味になるまで寝かせる。保存用の容器は、キャベツがすっかりと水分に包まれ空気に触れることのない容量のものを選ぶ。*常温に放置しておくと発酵の進みは早いが、傷みやすくもなるので冷蔵庫に入れることを推奨する。
- 冬場であっても、おそらく1週間もすれば十分な酸味が生まれ完成するはずである。