【本格料理レシピ】ウィーン風カツレツ:Wienner Schnitzel【オーストリア/ドイツ料理】

Schnitzelとは…

Schnitzelとは何か。これは多くの日本人が知るところであろう。

日本人が思い浮かべるドイツ料理の上位に必ずと言っていいほど現れるこの料理は、パン粉をまぶした獣肉を揚げたもので、イタリアのコトレッタ(Cotoletta)や日本のとんかつにも似た一品である。

そして実はドイツ料理としての印象の強いこの料理であるが、最も知名度の高いバリエーションの一つである”Wiener Schnitzel”の名前からもわかるようにその発祥はドイツではなくオーストリアにある。もちろん、ドイツでも非常に広く浸透した料理であるので、ドイツ料理だと言っても間違いではない。

このSchnitzelという料理は本来は仔牛肉を使用した料理ではあるが、現在では豚肉や鶏肉などのより安価な食肉が使われることも多くなっている。しかし、特に上記”Wiener Schnitzel”に限ってはPGI(Protected Geographical Indication)においてオーストリア、ドイツのレストランでは仔牛肉で作ったもののみに許される名称であり、それ以外の肉を使う場合はWiener Schnitzel vom Schwein/Pute/Huhn など使用されている肉の種類をつづけた名称で呼ばれる必要がある。

こちらはウィーンの有名レウトランで食べた本場のWiener Schnitzel 。

ちなみにこの料理の起源に関しては、18世紀のオーストリア貴族ヨーゼフ・ラデツキー伯爵(ヨハン・シュトラウス1世の『Radetzky-Marsch』はこの人物のために書かれた行進曲)が、オーストリア軍の総督としてイタリアに滞在した際に”Costoletta milanese(ミラノ風カツレツ)”を知り、ウィーンに持ち込んだのが”Wiener Schnitzel”の始まりという有名な話があったのだが、それ以前の時代の料理本にすでに類似の料理が載っていたという事実もあるそうで、真偽の程は定かではない。

さらに、類似性からかSchnitzelが日本のとんかつの起源であるという説もあるようだが、とんかつの”カツ(カツレツ)”はcôtelette(仏)が訛ったものと考えられているため、フランス料理に起源があるというの説の方が妥当な気もする。どちらにせよ、とんかつもSchnitzelもcôteletteも、さらにいえばCotolettaも広義には同種の調理法の料理であることは間違いないのではあるが…。

とんかつとの違いとSchnitzelのバリエーション

ところで”ドイツ版とんかつ”など(実に安易な表現であるが)と、紹介されるこのSchnitzelであるが、調理法において(使用される肉については今は省く)とんかつ との大きな違いは4つある。

一つは、肉を揚げる前に叩いて伸ばす工程が含まれること。

二つ目は、使用されるパン粉が細かいものであること。

三つ目はいわゆるサラダ油や菜種油ではなくバターやラードが使われること。

そして、最後の四つ目は油の量で、肉が浸るほどの大量の油を使うことはあまり一般的ではない。

*今回は混乱を避けるため、スタンダードなSchnitzelを想定して”違い”を書いているが、そもそも衣を纏わせないタイプのSchnitzelも存在する。

さらに日本国内での認知度はあまり高いとはいえないが、実はSchnitzelには多くのバリエーションがある。知名度の高いところで言えば、”Wiener Schnitzel”、”Jägerschnitze”、”Zigeunerschnitzel “などが揚げられるが、それらのバリエーションについてはまたの機会においておいて、今回は最も知名度が高いと思われる”Wiener Schnitzel”の基本的な作り方を紹介する。

Wiener Schnitzelの本格レシピ

*本レシピは公開から一定期間経過したため有料化しています。

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